看護職に対する未払い残業代について③(北里大学病院 看護職 支払い)
職員の皆さん、お疲れ様です。
北里大学病院 労働組合準備会です。
2018年9月25日付で、病院当局より、2年分の未払い残業代を請求した北里大学病院の看護職員に対して、残業代が支払われました。
病院当局より、看護職員についての未払い残業代が支払われて一件落着ではありません。
看護職員の方々より、以下のご意見をいただきました。
- 勤務時間外の残務に対しての残業代を請求しにくい雰囲気があり、残業代を請求できなかった。
- 請求してから今回の支払いまで約半年以上時間を要したにも関わらず、遅延損害金が支払われていない。給与明細書には超過勤務過年分の記載だけであり、支払いの詳細がわからない。
- 多忙で残業代を請求するのを忘れていた。
- 白衣への着替え、部署と更衣室間の移動時間は、労働時間ではないと思っていた。今さら労働時間であるとわかっても、周りの職員は請求していないため、請求しにくい雰囲気がある。
- 残業についての面談で、労働時間ではないとされ、本来の労働時間とは異なる少ない残業代が支払われた。(わたしたち北里大学病院労働組合準備会にご相談ください。)
- そもそも2年前の残業について記憶がないにも関わらず、労働時間であることを把握していなければならないのは病院の方ではないか。
- 2年分の申請を手書きはめんどくさいと感じた。何のために書かされたかわからなかった。忙しいにもかかわらず、2年前まで振り返され、思い出せるわけがない。何のためのタイムカードがわからなくなった。
- 手間ひまがかかった。支払われるのか曖昧だった。本当に支払われるのであれば、きちんと請求した。今から請求できるか。(わたしたち北里大学病院労働組合準備会にご相談ください。)
- 仕事が終わらないから病院に残っていたのに、なぜ残業をしていたのか疑われなければならないのか。仕事が終わったら、はやく帰りたいです。
- いい加減、タイムカードで残業代を支払ってください。もう2年分の残業代請求を手書きでさせないでください。
- そもそも、タイムカードの意味があるんですか。管理職は何を考えているんですか。
- 管理者は、タイムプロの時間と時間外命令書の時間に差があることについて、何も申請を促さないのはなぜか。
- 人件費削減で、違法行為をしないでください。私たちに人件費削減は関係ないです。それは、経営者側の理論です。
- 北里東病院はまだ未払い残業代が支払われていません。きちんと支払ってほしいです。
- 薬剤師も、調剤、製剤、医薬品情報業務や病棟業務等を行っていますが、残業が多い状態です。なぜ病院は、看護師にだけ残業代を支払ったのでしょうか。
- おそらく羨望や嫉妬だと思うが、場所によって前残業を請求する人に対して悪口を言う風潮がある。悪口は嫌だしめんどくさいことになりたくないから、2年分の前残業の面談の時は、師長さんに気を遣って少しだけ請求した。〔忖度?〕今でもリーダーに残業をしたことを報告してナースステーション内のケースから時間外命令書を取り出して書きにくい。他の人も上や周囲の目が怖くて、きちんと残業代が請求できないんだと思う。勤務していて、なんとなくモヤモヤする。
- 残業代が支払われただけで、仕事量は多く、人員が不足していて、何も変わっていません。この状態が何年も続くと、仕事を続けていけないなと思います。
- 実際の仕事時間と打刻時間との乖離があるので、今も未払い残業代は発生し続けています。病院は残業代を支払ったにも関わらず、現在もタイムカードに沿わない労働時間とする労務管理を続けています。おかしいと思います。
- 仕事が出来ない後輩が残業代を請求すること自体がおかしい。こっちは、仕事を教えてあげてるんだし、後輩は仕事が遅いんだから、後輩が前残業を請求するのは図々しいと思います。私は今まで仕事をしてきてきちんとは残業代を請求できなかったし、残務をしても請求しないことが仕事ができる指標であるとされてきました。労働基準法を守ると、仕事が出来ない人に残業代をたくさん支払うことになりませんか?(→管理職による部署内の職員の労務管理分析の必要性があります。先輩が10分で情報収集ができる場合、そこにはなんらかの工夫があります。後輩にその方法を丁寧に教える、10分とはいかなくても長い時間がかからないように情報収集等ができるようマニュアル作成・改変・周知などを行っていく必要があると考えます。パワーハラスメントが蔓延しないよう、後輩に思いやりを持ちサポートできる労働環境にしたいですね。労働の対価として残業代はきちんと支払われるべきです。上記内容により、後輩看護師が前残業について残業代を請求できない環境である場合、未払い残業代の発生とパワーハラスメントとの間に因果関係がある可能性があります。詳細な調査の必要性があります。)
等の多種多様なご意見をいただきました。
今後、出勤時間と退勤時間については、メモを行っておくと、後々残業代請求を行う場合、有力な証拠となります。
勤務時間と実労働時間に乖離がある場合、その時間は何らかの残務を行っていたということです。
勤務時間外になっても、部署内で多くの職員が残務で残っている、または残らざるを得ない場合、個人の問題ではなく、もはや部署や組織全体の問題であると考えています。
厚生労働省の2018年診療報酬改定において、医師事務作業補助体制の加算、看護職員と看護補助者との業務分担・共同の推進を設けています。
このことから、医師から移管された業務の一部を看護師が行い、更に他の業務を分業化し、看護師と看護補佐が共同して働いていくことがこれからの病院に求められています。
働き方改革チームや分業化推進チームを結成し、適切な業務移管についてPDCAサイクルで模索していくことや、勤務時間と人員配置の見直しが必要になると考えています。
※PDCAサイクルとは
事業活動における生産管理や品質管理などの管理業務を円滑に進める手法の一つ。Plan(計画)→ Do(実行)→ Check(評価)→ Act(改善)の 4段階を繰り返すことによって、業務を継続的に改善すること。
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